古材、端材で小物づくり

時間があるときは古材や自分で製材した木材、端材を使って小物を作ります。

材料はよく流通している材料ではなく、栗や桜、
くるみやナラなどの木材を使います。

これらは解体作業で出ることもあれば、
近くの方からお声がけいただいて分けていただいてます。

古材はよく乾燥していて、かんなをかけるととてもいいツヤが出ます。

なので風合いを活かすために塗装はせず、
えごま油やみつろうワックスなどの天然の素材を使って
木目を引き立たせる仕上げに。

 

今回は栗の木を使ったカード立て2種を紹介したいと思います。

栗の木で作ったカード立て

今回は古材の栗の木を使ったカード立て2種の紹介です。

これは昔の倉庫に使われていた立派な栗の木材で、
捨ててしまうのがもったいないくらいきれいでした。

なのであんまり手をかけず、木目を生かした仕上げにしてみました。

正方形バージョン

カード立て

こちらは初めて作ったカード立て。

栗の木を使い、えごま油で仕上げました。
いわゆるオイルフィニッシュってやつですね。

えごま油は食用油ですが、家具の仕上げなどにも使われるポピュラーな素材で、
油を塗っても乾いてサラサラになる性質があります。

そしてえごま油を塗ってすぐに目の細かいサンドペーパーで研磨しています。
こうすることで触ったときにしっとりした質感に仕上がります。

この手触りが僕は好きで、自分で作った小物はこのような仕上げにしています。

大きさは5センチ四方程度なのでカード立てに丁度いいくらいのサイズ感ですね。

長方形バージョン

これも同じく栗の木のカード立て。
プライスカードやポップを立てるためのものなので、やや斜めにささります。

正方形バージョンばかり作っていたので、このバージョンの数は少なめです。

 

木工もちまちまやってます

以上2点、栗の木のカード立てでした。

こんな感じで、思い立ったときにちょっとずつ小物を作っています。

作るときは時間と手間をかけ、いいものになるよう心がけています。

まだ試作段階ですがバターナイフも作りました。
つかいやすいかどうかは別として、それなりの形になりました。
使い勝手はちょっと微妙ですが…笑

こういった小物は在庫も少なく、いい木材があるとき、
かつ僕の体が空いてるときにしか作ってないので、
表立っての販売はしていません。

興味がある方はお問い合わせください。
もしかすると何らかのなにかがあるかもしれません。

 

以上、木工の紹介でした。

丸太のセルフ製材

木を伐採するとき、「○○の木を切るんだけど」と
お声がけいただけるときがあります。

そんなときは少し分けていただき、自分で製材もしています。

チェーンソーで割って製材

先日、親戚の家で大きなけやきの木を切り倒したと聞き、
すこし分けてもらいました。

冬の間の薪にするとのことで、玉切りされる前段階のものをいくつか。

その中でも60~80センチほどの幹を7,8本ほどいただいたので、
1つをチェーンソーで割ってみました。

けやきの板

こうして何枚かの板に割ったら乾燥させる工程に入ります。

木材の乾燥工程

住宅でも小物でも同じですが、木材はしっかりと乾燥させて使います。

木材は乾燥する過程で収縮したり、反りや割れなどの変化が起こります。

建ててからそんなことが起こっては大変なので、家づくりに使う材料は
工場でしっかりと乾燥させ、安定した状態のものを使用しています。

小物作りのときも同様ですね。

乾燥度合いは含水率で測る

木材の乾燥度合いを測る指標に、含水率というものがあります。

これは「木材がどれだけ水分を含んでいるか」を示す値で、
木造住宅の構造材はJAS規格で20%以下と定められています。

小物作りのときはそこまで厳密に管理する必要もありませんが、
僕はだいたい15%くらいを目安にしています。

天然乾燥はめちゃめちゃ時間がかかる

天然乾燥とは風通しのいい日陰に木材を積み、そのまま放置するやり方です。

厚さ4~5センチの板でも材料の芯まで乾燥させるのには何ヶ月、
あるいは年単位の時間がかかります。

前述の通り、乾燥の過程では割れや反りが起こります。

材木屋さんで売られている木材はそうならないように加工を施し、
常に管理しながら数年、もしくは数十年乾燥させます。

天然乾燥させてる木材の画像です
天然乾燥中の一枚板 引用:きくら

だから無垢材や一枚板の価格はすごい高いんですね。

樹種にもよりますが、平気で100万円を超える材料もあります。

ちなみにこの画像の引用元、きくらの常藤さんはお知り合いなんですが、
広島県で一枚板を加工して素晴らしい家具を作られている職人さんです。

水中乾燥という手法を導入してます

乾燥工程の時間短縮を図るために「水中乾燥」という方法を取ります。

これは日本で昔から行われてきた乾燥方法の一つです。

伐採したばかりの木を水に漬け込むんですが、これを行うことで
材料の割れや狂いが少なくなり、乾燥時間を早める効果があります。

丸太だと数年漬けるらしいですが、僕が使うものは小さいので
せいぜい3ヶ月~半年程度です。

水に漬け込む

このように重石をして漬け込みます。

翌日の様子

するとたった1日で水がこんなに茶色くなりました。

木に含まれているアクだったり樹液が浸出してこんな色になります。

ある程度この色が出なくなるまで水を取り替え、何度か陰干ししてから
乾燥工程に入ります。

いい感じの材料になってくれることを祈りながらただいま乾燥中です。

おわりに

今回はけやきの木材を製材して水中乾燥の工程を取りました。

作業場には同じ方法で乾燥させている大きな栗の一枚板もありますので、
そちらの紹介もしていきたいと思います。